練習についての考え方



練習についての考え方(日本協会 2006coaching chapter5)
間違ったことをいくら練習しても何の意味もない。どんな練習をするのか、個人の成長もチームの向上も、ひとえにここでの正否にかかっている。「最高の練習とは何か」「なぜ、練習するのか」「何のために、誰のために、練習するのか」・・・
コーチは、これらの問いに対して、プレーヤーが納得する答えを用意しておかなければならない。


ゲームを最大限にイメージさせる
言うまでもなく、練習はゲームにおいてより高いパフォーマンスを発揮するために行われる。練習では、ゲームで発揮したい個人やチームのパフォーマンスのイメージを明確にし、そのイメージと現実とのギャップを埋める抽出練習(ドリル)が重要である。常にゲームを最大限にメージさせたコーチングが向上の鍵となる。


累進(段階)的な練習を効果的に取り入れる
目指す運動技能をいきなり最初から行わせるのには無理がある場合や、安全性の面で心配される場合などに、その運動技能の構造に即して、練習の設定を簡単なことから徐々に難しくしていく「累進(段階)的な練習」は、効果がある。しかし「パス動作もまともにできないのに、ゲームなんてとんでもない」、あるいは「タックルもまともにできない者は試合に出さない」といった考え方に代表されるような「硬直化した段階的な思想に基づいた練習の構成」は否定されなければならない。相手のいない練習で、型どおりのパスができたからと言って、ゲームで活躍できるとは思わない。型どおりのパスをした結果、レシーバーがレシーブと同時にタックルされたとしたら、このパスはホスピタルパス(病院送りのパス)となるからだ。


ゲーム中心の指導でプレーさせる
正規の人数、グラウンドで正式な競技規則を適用してプレーすることだけがゲームではない。練習では相手のいる簡易ゲームを積極的に導入し、常に判断の伴う「プレー」を心がけさせる練習が求められる。 「安全」を確保するための練習を重要視する
柔道の練習は、受身からはじまる。投げられる練習と投げられてもケガをしない練習を重視している。ラグビーの練習においても、タックルされる練習やコンタクトされる練習、そしてそれらのプレーも含めて危険な要素を含むと思われるプレーから身を守る動作習得のための練習を、重要視しなければならない。


「失敗」から学ばせる
プレーヤーは、失敗の経験を積み重ねることによって成長する。コーチに必要なことは、プレーヤーのミスを責めることではない。何故失敗したのかをプレーヤー自らが次に生かせるように支援することである。 練習において、失敗する練習を大切に、失敗をおそれない雰囲気を作り出すことは、コーチの重要な役目である。


最大限の機会と最大限の活動を与える
「すべてのプレーヤーにすべてのスキルを」という言葉に代表されるように、練習ではプレーヤーにいろいろなスキルを習得するための最大限の機会を提供すると共に、よく練られた練習計画のもとに、許される条件内での最大限の活動を与えることで、練習への達成感を与える。


簡潔な指導を心がける
指導ではわかりやすい簡潔な言葉を使い(キーファクターの提示)、プレーヤーが練習の意図やポイントが、容易にわかるようでなくてはいけない。